2017年シーズン後期に向けたタイでのトライアウトについて

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アジアサッカー留学

 

(自主トレーニング)

 

現在タイは移籍期間の真っ只中。連日、ニュースでは選手獲得や契約解除の記事が流れています。チームによっては在籍選手の半分以上を解雇して新しい選手を獲得する、そんなこともタイでは当たり前に行われます。シーズン中や、契約期間内であってもチームの期待に応えられなければ解雇を言い渡される、そういう場所です。

選手はそういった環境の中、自分のプレーする場所を守るため、またはプレーする場所を探して必死に戦っています。それはもちろん日本人だけではなく、タイ人選手、世界中の国々からやって来た選手達も同じです。

様々な情報が流れ、その情報を頼りにクラブを探す選手達。大きくはない可能性にかけて必死に自分をアピールする選手達。そういった選手達の中に入って自分のプレーするということはどういったレベルの中であっても簡単なことはありません。

 

(写真提供:Nonthaburi FC )

このハーフシーズンでのトライアウトというのはシーズン前のものとは少し違います。シーズン前というのは時間的にも余裕があり、たくさんの選手を見てから決めるという流れが全体的に見られます。数百人規模のトライアウトも行われ、特に今年の初めには多くのチームがオープントライアウトを開催し、そこに集まった選手の数をステータスにするかのようにその写真をチームのフェイスブックページにアップしていました。

しかしこの時期にはそういったオープンなトライアウトはほとんど見られません。どのチームも必要な補強ポイントを明確に絞り、そこに必要な選手をはめ込んでいきます。その為、いつでも誰でもがトライアルに行けるというわけではありません。チームが必要とするタイプの選手でなければトライアルに行ったとしても見てもらえないということもあります。

選手としてはトライアルに行けない日も増え、不安な気持ちになるかもしれません。しかしチームが必要としなければトライアルに行くチームは当然ありません。そういう中で体力・気力的にも厳しくなってくるでしょう。

どんな能力の高い選手であってもトライアルで契約を勝ち取るということは簡単ではありません。監督、チームのオーナーの好み、トライアル時に一緒にプレーする選手との相性、対峙した相手、同時期にトライアルに来た外国人選手達、その時々のトレンド。様々な要素とタイミングが重なり契約に至ります。

もし契約に至らず悔しい思いをしても、それを引きずる必要はありません。大切なことは、何が足りなかったのかしっかりと分析して次の来たるチャンスに最善の準備をすること。そういった精神的なタフさは重要な要因になります。そして契約を勝ち取ったとしてもそれが全てではありません。それはあくまでスタート。そこから自分に何が必要なのか、そういった考えを常に持って進んで行くことが大切になります。

(練習参加後にバンコクグラスのレストランで選手と食事)

一時期には60人を超えていたタイでプレーする日本人選手の数は少しづつ減っている傾向にあります。タイリーグのレギュレーションの変化、外国人枠、レベルの高い外国人選手が増えた影響、日本人というブランド力の変化、様々な要素が考えられますがその中でもまだまだチャンスは残っていると感じます。

難しくなった環境の中だからこそ、強い気持ちと高い志を持った日本人選手達にタイで活躍してほしいと思っています。

 

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