2018/12/23
7:30
スペインの朝。
辺りはまだ暗く静寂に包まれている。
「マドリードクリスマスカップ」
大会2日目、最終日
昨日の敵は今日の友。
既に友達だらけ。
残るは準決勝と決勝の2試合。
ここまで来ると相手も強い。
サッカーの本当の戦いが始まる。
11:30
準決勝
vs Valdevernardo
反対側のグループ一位との対戦。
体格、球際、判断力
能力の高い相手選手ばかり。
守備に追われる時間が続く。
互いの良いところを潰し合う試合。
GKフミヤ、コウノスケ、マイルズ、タケルを中心とした守備。
自陣での我慢が続く。
セットプレーで何度かチャンスを作るもののゴールが遠い。
互いに一歩も譲らず時間は過ぎPK合戦に突入
先行の相手選手がバーを叩き、
後攻1人目リョウスケが冷静に決める。
相手2人目先攻、成功
後攻2人目ショウタ、キーパーに弾かれるがボールの勢いが勝り成功。
ラスト三人目先攻がバーを叩き勝負あり。
FITA select 0-0 (PK 2-1) Valdevernardo
全員で苦しみ、
もぎ取った貴重な貴重な勝利。
残るは決勝のみ。
「最後だ。勝てば日本に帰っても当分の間はは嬉しいぞ。帰りの旅も、なにもかも、気分が違う。それが勝負の世界、勝利する事。」
「負ければ -良く頑張ったね-と言われるだけ。親や身内以外の人達が気にするのは結果のみ」
「ここまで来たら結果が全て、決勝では内容なんてあまり気にされないのがサッカー、勝たないと悔しみに襲われるぞ」
「-内容は良かった-と言いたがるのは負けたチームだけ」
「昨年の選手達より少しでも上に行きたかったら-優勝-しかない。」
「相手は普段から一緒にやってるチーム。君達は長旅をしてスペインに来て、一気に仲良くなって、強くなりながら決勝まで勝ち上がって来たチーム。どっちが上か会場の人達に見せてこい。」
決勝 vs Juventud Sanse
初戦FITAが1-1で引き分けた相手を準決勝3-1で破り、ここまで勝ち上がって来たチーム。
全てはFITA攻撃陣の出来次第。
集中して試合に入った選手達。
決勝に来て覚醒した。
開始1分、右サイドを抜けたショウタのグランダークロスを左サイドファーにいたリョウヘイが落ち着いてインサイドで捉え先制。
7分、予選から能力を出しきれずくすぶっていたトモヤが決勝に来て本領発揮。
右サイドのカイセイがドリブル突破しキーパーの手前に流したボールに追いつき逆足の右でシュート。
「コーチ!やっとトモヤが普通に戻った!」
強敵ED Moratalazとの練習試合で2得点、公式戦以外では違いを見せていたトモヤ。
「いい選手は大事な時にゴールをする。今のトモヤの敵は自分。緊張するのは誰のせいでもない。決勝で結果を出せば、サッカー人生、少しだけ変わる。それを積み重ねるのが選手。FWはどんな時でも冷静になれなきゃアウト」
ゴールデンエイジ、U-10選手の吸収力は偉大です。
10分
個人技で左サイドを突破し、中へ切れ込みながらミドル。逆サイドネットに強烈な一発を突き刺し会場をどよめかせた。
3-0、トドメを刺す。
相手監督の大きな指示の声が途切れた。
試合は完全にFITAペース。
「リードしてるぞ。のんびりプレイしていい」
細かな指示を出してもいないのにキーパーを交えて全体的に広く声を出し合いボールを回し始める。
たった数日間で驚かされる程の成長度合い。
自立。
相手チームはなす術もなく、時間だけが過ぎていく。
リント近距離でのシュートチャンス。
コウタのドリブル突破。
レイア、縦への仕掛け。
決勝戦を今まで以上に伸び伸びと楽しむ選手達。
終了の笛が鳴り響く。
得点者:
1分 リョウヘイ (ショウタ)
7分 トモヤ (カイセイ)
10分 トモヤ
FITA 3-0 Juventud Sanse
結果を出すと言葉が通じなくとも認められ、
絆までもが生まれるサッカー大国スペイン。
人種、年齢問わず、笑顔のチカラが強い所に
人が自然と集まる。
少なからずこの現場には
妬みや僻みは存在しない。
太陽の国スペイン
Jリーグを盛り上げてくれている、
イニエスタ選手
トーレス選手
そして
ビジャ選手…
感謝ですね。
少しずつ日本のサッカーも
スペインや他のサッカー大国のよう
「ピュア」に近づいていると信じて。
海外のサッカー選手は、プロ契約を交わす前に「ピュアな心、少年心」がどれほど強いか、確認されるようです。
純粋な大人以外は、プロサッカー選手として認められないとの事。
何かを感じ取り、経験した者が伝道者となり
少しずつ日本のサッカーを
社会と共に、
もっともっと熱くしてくれるといいですね。
スポーツには、その力がある。
Congratulations FITA Saitama Select !!
優勝おめでとう!
一晩休んだら明日は帰国。
しっかり日本へ帰ろう。
※保護者の皆さん、お疲れ様です。
予定通り、明日の便での帰国となります。
世間はクリスマスと忙しい時期ですが、何卒、お出迎え、よろしくお願い致します。