4月12日から16日まで、タイはソンクラーンと呼ばれる祝日です。水掛祭りとしても広く知られるこのソンクラーンの期間にはタイリーグも中断。11日に行われた試合を最後にどこのクラブも短いオフが設けられています。
タイリーグ1で今シーズン17位と低迷するウボンUMTユナイテッド。第10節の相手は同じく残留圏争いをするポリス・テロとアウェイでの試合でした。
今シーズン、プレシーズンで負った怪我の影響で出遅れたウボンUMTの山崎健太でしたが、復帰して以降はスタメンフル出場を続けています。昨シーズンのメンバーの多くが移籍し、大きく体制が変わった今シーズンは厳しい戦いが続いていますが、その中で山崎が常にチームを引っ張る存在として安定したパフォーマンスを見せています。
降格圏を争う相手との直接対決だったこの試合、ウボンUMTは前半から山崎を中心に試合を組み立てます。献身的な守備と、落ち着いたビルドアップ、そしてチャンスがあれば自分でも縦に仕掛ける山崎の存在は今やウボンに欠かせないものとなっています。
特に前線に構えるフィリピン代表マーク・ハートマンとのコンビネーションは良好で、この二人からウボンの攻撃は始まります。
そして先制点もこの二人のコンビネーションからでした。ドリブルで相手との1対1を制した山崎は敵陣深くまでドリブルで進みます。そしてGKの頭上を越える柔らかいクロスをファーポストで待つハートマンへ。ハートマンが難なく頭で合わせました。
そして2点目も右サイドからでした。山崎のクロスにハートマンが合わせ、敵にブロックされたボールを味方が押し込み2−0。
しかし試合はこれで終わりませんでした。ここから立て続けに失点を許したウボンは完全に浮き足立ちます。そして後半ロスタイムにもミスから失点。
結局3−2で敗れるという結果になってしまいました。
これで10試合を消化し、2勝8負で17位。苦しい戦いはさらに続きます。
しかし、苦しい状況の中でも山崎の安定したパフォーマンスは際立っていました。この試合でもプレーでチームを引っ張ることはもちろん、味方とコミュニケーションをとって指示を出したり、監督コーチと他の外国人選手との間に入ってコミュニケーションをとるなど、チームリーダーとして引っ張る姿には頼もしさを感じました。
さらに、この試合では敗れはしたものの「Man Of The Match」に選出された山崎。
調子の上がらないチームの中、外国人助っ人として、チームリーダーとしてさらなる真価が問われているのかもしれません。この困難を乗り越えて、その先にある彼のさらなる進化を楽しみにしたいと思います。