味方のヘディングでの落としに反応した菊池はゴールに背を向けた状態から体を投げ出し右足を振り抜いた。
1部リーグでの初となる今シーズン、ソルティーロ・アンコールFCは得点力不足に苦しんでいた。モンテネグロから活躍の場をカンボジアへと移し、初めての東南アジアでのプレーをする菊池は日本ともヨーロッパとも違うサッカーの中でもがきながらも、ハードなディフェンスと献身的なプレーで中盤からチームを支えていた。
しかし、どんなに必死で守ってもボールの収まらない前線、ゴールが遠く感じられた。そこでストライカーに抜擢されたのが守備的ミッドフィルダーを主戦場としていた菊池だった。
そしてストライカーとして出場した2戦目、相手は強豪アーミー。
攻勢を強めるソルティーロの攻撃を菊池が見事にゴールに結びつけた。
http://youtu.be/pJ8LGd7STW8
「やっぱり中盤の守備が自分の最も大きな武器。守備の方が好きです。それでもチームの中で与えられた役割を果たしたい。外国人として結果を出したい。」
そう語る菊池の見事なオーバーヘッドゴールだった。
試合はその後、逆転を許し敗れはしたものの、菊池はこのカンボジアでの初ゴールで自らの新しい境地を開こうとしている。
場所が変われば、自分が変わらなければならない、必要とされることが変化することもある。そういった中で、これからの菊池のさらなる進化が楽しみである。