タイトップリーグ T1
Bangkok glass FC 対 Ubon UMT United。バンコク郊外にあるBangkok glassのホームスタジアムのLeoスタジアムに観戦に行ってきました。
アウェーのUbon UMTにはユーロプラスアジアの山崎健太が所属しています。Ubon UMTは現在6位。4位につけるBangkok glass FC相手に両者とも負けられない楽しみな試合です。
山崎は前節に膝を痛め出場が危ぶまれていましたが、ここまで全試合にフル出場を果たすチームには欠かせない存在として、この試合でも怪我を押しての強行出場となりました。
試合は一進一退。Ubon UMTは190cmオーバーの外国人選手を3人。そして、前線にはタイ代表のフッキと呼ばれるシローチを擁しパワフルなサッカーを展開。
それに対してBangkok glass FCは細かなパスワークとスピード感のあるカウンターでゴールに迫る、対照的なプレーを見せる見応えのある試合となりました。
山崎はこの試合でも安定したプレーを見せてフル出場。試合は前半にコスタリカ人FWのAriel Rodriguesが決めた1得点をBangkok glass FCが守り抜き、ホームのBangkok glassが勝利を収めました。
タイでプレーする外国人選手達
この試合、Ubon UMTでプレーしていた外国人選手は5人。スタメンは4人。そして途中からの交代で1人。Bangkok Glassも同じくスタメンに4人の外国人選手を起用しました。
Ubon UMT はブラジル人2人、アルゼンチン人、ドイツ人と日本人の山崎。
そしてBangkok Glass FCはボリビア人、コスタリカ人、スペイン人、日本人。
Ubon UMT の外国人選手たちは迫力抜群でした。ブラジル人CBでキャプテンのVictorは194cmの体格を生かしたディフェンスでヘディングには滅法強い。そして前線でプレーするブラジル人のTiagoも191cm、ドイツ人のBajramも192cm。そして二人とも体格だけではなく、高い技術も持ち合わせた選手でした。
そしてそのチームの中盤を影で支えるのが山崎。他の外国人選手のようなインパクトはありませんが、誰よりもチームのために汗をかける。誰よりも走ってゴール前まで戻って守備をして、カウンターになれば次の瞬間最前線まで一気にかけ上がる。そういうプレーを見せてくれます。
アルゼンチン人のMarianoはテクニックに優れた選手でした。チリ、アルゼンチン、ギリシャ、キプロスなどのトップリーグでプレーしてきた経験のある選手で、途中出場からUbon UMTの攻撃の起点となる好プレーを連発していました。
Bangkok glass FCのオーストラリア人Matt Smith、ボリビア人Jhasmani Campos、コスタリカ人Ariel Rodriguesは各国A代表経験のある選手達です。オーストラリア人DFは怪我で欠場していましたが、出場していた外国人選手はさすがという質のプレーを随所に披露していました。
スペイン人のTotiはスペインのリーガエスパニョーラでもプレー経験のあるMF。この試合でも中盤で違いを見せつけ、前線に好パスを供給し続けていました。
そして日本人CBの池田樹雷人。彼はセレッソ大阪から期限付きで移籍してきた選手です。まだ若い選手ですが、タイ代表のフッキと言われるシローチ相手にも落ち着いた守備を見せていました。
戦う相手はタイ人選手ではない
タイと言うと日本では ”日本でダメだから行くリーグ” そう思われているのが現状だろうと思います。しかし現地でプレーするということは、想像とは全く違う。
誰もがタイに来て、チームの練習に参加してこう思います。
『これなら出来る。』
しかし、ローカルのタイ人選手相手にできるという事と、試合で外国人として違いを見せるという事では話が全く違います。
そもそもタイ人選手は練習と試合ではテンションが違いすぎて、タイ人選手の力量を最初の段階で見極めるのは難しいでしょう。
ましてポジションを争うのはタイ人選手でもなければ ”日本でダメだったからタイに来た選手達” でもない。家族のため、生活のために本気で戦いに来ている、世界中の選手達です。
元マンチェスター・U、元リバプール。そういった肩書きがある選手であっても簡単には活躍できない。多くのそういった経歴をもつ選手が毎年クビになってチームを去って行くというニュースを見かけます。
まだ、日本から見るタイと現実では大きなギャップがあるように感じます。
そういった選手達の中で、強い気持ちを持ち続けてプレーできるか。そういう選手が求められます。日本から強い志を持った選手がやってきて、タイリーグで活躍する。そういう選手が一人でも増えてくれることを願っています。