東南アジアサッカーの中心、タイ。ここには世界中から多くの選手たちがプレーする場を求めてやって来ます。日本からすると同じアジアということで国として似たような点も多く、日本の企業も多く進出していることから住みやすい国としても広く知られています。しかし、サッカーと普通に暮らすのでは話しが違って来ます。他国でプレーするとうことはローカル選手の中に入り、外国人助っ人としてピッチ内外で価値を見せなければなりません。 そんな中で、ローカル選手とのコミュニケーションは必須のスキルとなります。 タイ人の国民性として
・マイペンライ精神
・褒め上手(あまり悪いことを言わない)
・時に激しい性格
・宗教を重んじる
・人前で怒らない
・外見を重視する
などの特徴があります。マイペンライというのは「気にしない」という意味です。何かあってもすぐに切り替えることができる彼らの性格は、サッカーでは試合が負けてもマイペンライ。ミスしてもマイペンライ。遅刻してもマイペンライ。と日本人には理解できないことも多いでしょう。
あまり悪いことを言わないという特徴は最初はわかりづらい特徴かもしれません。あまり選手として評価してなくても、その選手を前にすると『いいね、素晴らしい選手だ』と言うので日本人の感覚からすると、はっきり言ってくれたらわかりやすいのにと思うことも多いことでしょう。トライアウトに行って、監督から評価は高いんだけどなかなか契約をもらえない、そんな場合はこういう性格的特性が関係しているのかもしれません。
タイ人は普段温厚でフレンドリーですが、怒った時の勢いはすごいものがあります。練習ではのんびりプレーする彼らも試合になってヒートアップした時の迫力は凄まじく、怒らせると日本では考えられないラフプレーが飛び出したりもします。本当に気をつけて下さい。
宗教を重んじる彼らはチームでお寺でお参りをしてから試合に行くこともよくあります。外国人だからと別行動をとるのではなく、彼らをリスペクトして一緒に行動することも大切です。まずは彼らに敬意を示すことが大事です。
彼らは人前で怒られるのを嫌います。日本では激しい口調でチームメイトを叱咤激励することはチームの士気を高めることにつながりますが、タイでは人前で怒られたと感じる選手も多いでしょう。信頼関係もない状態で怒鳴りながら指示をしていてはサッカーのピッチの上であろうと、タイ人選手は聞く耳も持ってくれませんし、逆に逆鱗に触れてしまう可能性もあるでしょう。
外見を重視する彼らはサッカーの時でも外見への気配りを欠かしません。サッカーの試合前にはパリッと髪型を整え、サングラスをかけ、試合に向かいます。
まず、郷に入っては郷に従えです。日本での当たり前を海外で求めてもうまくはいきません。まずは受け入れてから、彼らに敬意を示してから、そこから自分の意見を聞いてもらえるように努力しなければピッチの内外で苦労することになるでしょう。これはタイ以外の国でも同じはずです。サッカーのピッチ上で自分を表現するためにもピッチの内外でチームメイトとのコミュニケーションは必須です。相手を理解してこそ、自分も理解してもらえるのです。