【タイ】求められない選手、求められる選手

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Photo by Richard Boyle on Unsplash

11月18日を持って2017シーズンのタイリーグは閉幕し、25日にFAカップの決勝戦はチェンライユナイテッドの優勝で幕を閉じました。しかし、息をつく間も無くタイのサッカーは2018シーズンに向けてすでに動き出しています。

チームの関係者からはこの時期になるとたくさんの問い合わせが届きます。初めてのプロ契約を目指す選手達にとって、最初の目標は東南アジアでのキャリアをスタートさせることにあるでしょう。外国人への要求はより高まりつつあるタイで、下部リーグでのプロ契約も簡単なものではありません。同じサッカーですが、そこで要求されることは日本のそれとは全く違ってきます。技術的にも戦術的にも洗礼されたトップリーグのチームなら話は別ですが、下のカテゴリーに行けば行くほど、戦術ではなく個人の能力に任せたサッカーになる傾向があります。

グラウンド状況も悪い、チーム戦術も成熟されていない。そういった状況で求められる外国人は『背が高い』や『足の速い』などの分かりやすいストロングポイントを持った選手である場合が多くなります。もちろん日本人の正確なテクニックや、運動量、戦術理解度や献身性もタイでは高く評価されています。しかし、強烈なストロングポイントを持ったアフリカンなどの外国人選手達よりも優れていることをグラウンドで示さなければいけないということです。

『タイでのプレー経験があるかないか』ということもカテゴリーが下がるほどに聞かれます。大きな予算を割けない下部リーグのチームにとっては既にタイに馴染みのあり、タイを理解している選手の方が扱いやすいのでしょう。逆に豊富な資金のあるチームは各国のトップレベルの選手を獲得候補にリストアップするなど、優秀な選手であればお金は出すというような雰囲気があります。

『性格が良いか悪いか』『話しやすいか』ということも聞かれます。そんなことサッカーとは関係ないだろうと思ってしまいますが、これはタイ人の特徴とも言えるかもしれません。あまり人との争い事を好まないタイ人の気質はサッカーのピッチの中でもよく見られます。そういった東南アジア独特な雰囲気にも馴れなければグラウンドで本来の実力を発揮することは難しいでしょう。

どんな選手が求められるか、それを考えることは大事ですが、それによってプレーを変えるということは難しいかもしれません。むしろ、ピッチの中で自分のストロングポイントをいかに発揮できるか、ということにいかにフォーカスしてプレーできるかということの方が大切になってきます。海外でプレーする上で自分の力を発揮するためには、どうなるか分からない不安定な状況の中で自分のすべきことをしっかりと見極め、その環境にいかに自分をアジャストするかということが大事な要素と言えるでしょう。

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